肥満の妊婦に考えられるリスク
2019年07月15日
妊娠前の体重の増加は7~12kgが理想的です。
妊婦の肥満は、妊娠時や出産時に重大な病気のリスクを高めます。
まずは妊娠高血圧症候群です。
妊娠の負担が血流や血液に影響を及ぼし、高血圧症や尿タンパクなどの症状が現れます。
進行すると子癇という痙攣発作を起こして、母体や胎児に影響を与えます。
妊婦検診で検査が行われるので、忘れずに検診を受けておきます。
また肥満が原因で妊娠中の糖尿病のリスクが上がります。
妊娠中はインスリンによって血糖値をコントロールしていますが、糖尿病にかかっていると、巨大児が生まれる恐れがあります。
巨大児は未熟なことが多く、出産後も様々な病気のリスクがあります。
胎児のときに母体から十分免疫体をもらっていないので、白血球が細菌を排除する働きが弱くなります。
よって細菌やウイルスによる感染症にかかりやすく、一度感染したら重症化が進み、生命の危機をもたらします。
妊婦の糖尿病は早期発見をして、食事制限や適度な運動などで改善されます。
また肥満は先天性の異常である神経根閉鎖障害のリスクを増加させます。
妊娠する前と妊娠初期に葉酸をたくさん摂取することで発症を防ぎます。
肥満の妊婦が帝王切開をする確率は高く、帝王切開でできた傷の治りも遅いと言われます。
また妊娠すると通常より血液が固まりやすい状態になります。
出産の時の出血に備えるためですが、血管内で血液が固まってしまうと、末端の循環障害を起こしています。
肥満の妊婦は血栓率が高く、脳や肺といった重要な臓器に血栓があると、麻痺が残ったり死亡したりします。
妊娠中に肥満になると、出産しても体重や体型が元に戻らずにそのまま生活習慣病を引き起こしやすくなります。